2018年3月11日 聖書:マタイによる福音書7章7~12節 「求めなさい そうすれば与えられる」 豊田護兄

 何を求めろというのでしょうか。そして何が与えられるというのでしょうか。
ここが大切な問題です。お金や地位や名誉を求めろとは言っていません。
生きていることの、そして生きていくための、真の意味と最も大切なものを
求めなさいと言っているのです。

 「求める」とは、じっと何もしないで待つというのではありません。努力
しなさいという意味です。かつて一向宗の門徒たちは、命を賭けて念仏を唱え、権力者である武士たちと戦いました。全エネルギーをかけて命も惜しまず信じて念仏を唱えました。そこに「求める」という姿がありました。食うや食わずの貧しい人たちにとって、生きる真の意味を真剣に求めたのでしょう。「求める」とは、命を賭けて「信じる」ということです。

 色々な場面でも同じ事が言えます。音楽を知ることと真に理解することは
全く違います。音楽を理解するということは、必死で練習して初めて少し理解できます。「知る」と「理解する」とは全く違う次元の物なのですが、死ぬ
思いで練習したり求める努力をしないとなかなかつかみとれません。何も
難しい勉強をしろというのではなく、真剣に大切な物を求めてまじめに生きるということです。

 今の時代は、目に見えない生きる本質には、なかなか目を向けにくい社会になっています。だからこそ今、しっかりとしたものに目を向けて求めなければならないのではないでしょうか。

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