2019年5月5日 聖書:ヨハネによる福音書21章15節~19節「わたしの羊を飼いなさい」世良田静江牧師

イースターのよろこびが日々の信仰を支えているでしょうか。本日の箇所はイエス様が復活後の事。特にペトロとイエス様の会話が中心です。ペトロにイエス様が三度も「私を愛しますか」と問うているのです。ペトロはイエス様がカヤファの庭で裁判を受ける時に、三度もイエスを知らないと関係を打ち消していますが、こうも三度も尋ねられると悲しい問であったと思います。人間は問われる存在なのです。私たちは他人から問われる事ばかり気にしています。その上、人の顔ばかりうかがって人がどう思うか、そればかりが心配なのです。神から問われていることをすっかり忘れています。むしろ人間のことばかり考えて、神から問われている事すら眼中にないのかも知れません。けれども信仰とは、この神からの問いかけを一番心にとめることなのです。神が問う問いは何にも厳しくまた大切なのです。一度ならず三度も問うのは人間が弱い存在で決心してもすぐに駄目になるからに他なりません。私たちが誰かに三度も問うのは心配で念を押すのですが、イエス様が問うのは私たちの弱さに対する配慮と愛からです。あなたには愛がありますか?何にもましてイエス様を愛していますか。その問いに対して応えは私たちの信仰です。主よ私があなたを愛していることはあなたがご存知の筈です。と応えるペトロ。イエス様は「主よ愛します」という言葉が欲しかったのです。真実は簡潔で明瞭です。この後、ペトロはペンテコスティをへて、直接な言葉を語るようになります。“悔い改めなさい”“イエスの名によって歩けと”イエス・キリストを愛するということはいと小さき者を育てることを意味します。自分の子どもや家族、貧しい隣人かも知れません。神の栄光を表すために、わたしに従って来なさい。小羊を養いなさいと主は今日も問いかけています。

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