2017年12月3日 聖書:ルカによる福音書2章1節~7節 「イエスの誕生」世良田静江牧師

ルカによる福音書の著者はルカであると言われます。このルカによって、ルカによる福音書はイエスの誕生を丁寧に詳しくどの福音書よりも書かれています。
全世界の人々が戸籍登録をするようにとは少々大げさな書き方ですが、皇帝アウグストゥスの勅令で行われたと記されています。この戸籍登録は、当時の支配者が税金を取り立てるためや徴兵や労役を課すための積算根拠となったと思います。
今の世界の国々の最大の関心事は、経済力と軍事力。2000年を経過してもそう変わらないのです。皇帝アウグストゥスがどれ程の権力をもっていたのでしょう。世界の王として、イエス様はこの世界に誕生されました。
権力で世界を支配しようとした王、世界の民に平和を与えるイエス様とは比較になりません。聖書の箇所に戻りますと、7節に「宿屋には彼らの泊まる場所がなかった」と記されています。夜通し羊の番で草の上に寝ることが多かった羊飼いや農民、けれどもどんなに貧しくても産まれてくる子のためにゆりかごは用意できる最低限度のものです。今、神の御子はこの最低限度以下のところに生まれたことを指し示しています。
アウグストゥスの治世はすべて人から奪う治世にほかなりません。けれども神の御支配は人に与え、人に仕えることから成り立っています。その愛は自分の一部をほどこすものではなく、全部お与えになること、つまり神はそのひとり子を賜わる程にこの世を愛された。それは御子を信じる者が滅びないで救われるためにだとヨハネ福音書に記されています。この宿屋にはお泊りしていただく場所がなかったという事がいつも心に残ります。人口登録のために賑わう宿屋、人々の談笑や騒がしい人間模様が溢れています。その一方で、イエス様が誕生されたのです。
私共の心は全開し、イエス様をお泊めできる場となり、また日常の生活の中でその様な生き方がされているでしょうか。Christmas Seasonこそ、日頃の信仰が問われると思うのです。

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