2020年5月3日 聖書:エフェソの信徒への手紙 5章15~20節「今という時」豊田護兄

 「今は悪い時代だ」と言っています。では良い時代はあったのでしょうか。貧しい者、しいたげられる者、差別される者、その時の政府に欺される者、いつも私たちは欺されてきました。
昔戦争がありました。多くの若者が戦場で命を落としました。そして、この戦争は間違っていると述べています。それに対して、当時のマスコミや日本を代表する知識人たちは、「奴隷の平和より王者の戦いを」「美しく死ぬことは美しく生きる事だ」などと、日本中で講演してまわりました。小林秀雄・亀井勝一郎・河上徹太朗らの名前は一度は聴いたことがあるでしょう。彼らの言葉に欺され多くの若者が命を奪われました。戦後彼らは一切反省などはしませんしマスコミも同じです。日本基督教団も似たようなものです。

 今コロナで大騒ぎです。そして日本の弱点が総べてさらけ出されました。金儲け中心に動いてきた政治の失策の全てが経済の危機として見えてきました。「新自由主義」「グローバル経済」という言葉を思い出してください。それらのツケがいま露呈しています。格差の広がり、経済の弱点。非正規雇用の増大、ホームレスの人達の生活不安などが総べてコロナで見えだしました。本当は政治の失策から起こった事ですが、総べてコロナのせいにしてごまかそうとしています。

 「自粛」の後ろには、「補償」はありません。パチンコ屋の言い分も分かる気がします。ネットカフェで生活している人達は仕事もなく、食事も取れていないありさまです。コロナのせいではありません。今までの国の大企業の金儲け主義が元々作り出したもので、今回のコロナが一番弱い人達を直撃しています。
かつての戦争の前にある意味よく似ています。

 欺されてはいけません。「美しい死」や「大東亜共栄圏」などの言葉には、何の意味も在りませんでした。「コロナ」の恐怖が全ての原因ではありません。金儲けばかり考え国民を欺してきた国の失策のツケがはっきりとして来たのです。コロナの死者よりも、自殺者の数の方が遙かに多いのです。失業者の数やホームレスの数の方が遙かに多い現実を、今こそしっかりと見なければなりません。
やたらと恐怖を振りまく政府やマスコミにきな臭い匂いがしてきませんか。

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