2018年5月6日 聖書:コリントの信徒への手紙Ⅰ 10章13~14節「偶像礼拝を避けなさい」 世良田静江牧師

 アメリカのデューク大学の教授リチャードヘイズ先生の書かれたコリントの信徒への手紙の注解書は日本の大学で神学校を併設されている神学部の教授の方々によって約されています。ヘイズ教授は研究休暇でエルサレムの超教派研究所にいる間に主に書かれたものです。膨大な文献や参考資料によって書かれたコリントの信徒への手紙、特に本日の箇所は8章1節~11章1節まで偶像礼拝への警鐘を鳴らし、「偶像とは」を丁寧に書き記しています。今日は13節14節を上げています、ぜひ、8章1節から11章1節までをお読みください。今、多くの新興宗教がありますが、本日の箇所が倫理綱領に入っており、365日毎日この箇所が読まれます。何だか不思議というか違和感を覚えます。けれども私たちも苦しんでいたり、困難を抱えている人や自分自身の慰めとして
 “あなたがたを襲った試練で人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共にそれらに耐えられるよう逃れる道をも備えてくださいます。私たちの愛する人たち、こういう訳ですから偶像礼拝を避けなさい”とパウロは私たちにすすめるのです。2,000年前の時代、今とは全く異質な世界に住む人々に向けて語られたパウロの手紙、これが聖書の一部です。一体私たちに何を語りかけようとしているのでしょうか。コリントの信徒に対して様々におこる教会内の問題に対してこの手紙を送ります。これを受け取るコリントの信徒の方々は教会内の恥ずかしい内情を他の教会の人々には知られたくなかった事でしょう。でも、私たちは十字架にかかられ、私共のためにを苦しみを受けたイエス様をよくわかっていても偶像にすがろうとする愚かさがあります。それに対してパウロは切々と説くのです。イエス様に倣い、多くの人々が犠牲となりました。その一つの例として、ディートリッヒ・ボンヘッファーやマーティン・ルーサー・キング牧師、その数は枚挙にいとみません。わざわざアメリカに逃れたのにドイツに戻り、ヒトラーを めたボンヘッファーのこと、公民権運動のリーダーキング牧師、各々に不幸な死を遂げていますが、決して自己のためだけではなく後に続く者たちのためです。教会は賜物を受けた共同体です。教会の本来の姿は一致して主の御言葉をのべ伝える宣教の業です。心を一つにして歩みましょう。

聖書のお話