2023年7月16日 聖書:使徒言行録20章7節~12節「生き返った青年」上垣旅人牧師(行橋教会)

パウロは第3回世界宣教旅行でギリシアまで行った後、エルサレムへの帰路につきます。途中トロアスという町で7日間滞在し、出発を翌日に控えた最後の日、ある家に「パンを裂くために(聖餐のために)」集まり、夜遅くまで話をしました。彼としてはどうしても語っておきたいことがあったのでしょうが、そのせいで不幸な事故が起きてしまいます。
エウティコ(「運がよい」の意味)という名の青年がひどい眠気を催し、眠りこけ、腰を掛けていた三階の窓から下に転落死したのでした。
送別会の席でとんでもないことが起きたものです。青年は疲れていたのでしょう。パウロの話に集中し続けることが出来なかったのです。そこにいた人たちは激しく動揺します。会はすぐに中断され、皆が心配して、倒れているエウティコのもとに駆け寄ります。
そんな中、パウロは彼の上にかがみ込み、抱きかかえて、「騒ぐな。まだ生きている」、と死を否定します。そして、何事もなかったかのように階上の部屋に上がり、皆と共にパンを裂いて食べます。
また、熱心に夜明けまで長い間話し続け、教会の人々を励まし、皆に祈られて出発したのでした。
私たちも自分たちの状況を「死んでいる。終わり」と判定を下すことがあります。しかし本当に、終わりなのでしょうか。私たちの主イエスは、「死からよみがえらせてくださる」方です。パウロはそのことを知っていました。
だから、「騒ぐな。まだ生きている」と言ったのです。「まだ終わりではない」のです。
人々は、生き返ったエウティコによって「大いに慰められ」ました。
日々の歩みの中で、主がよみがえらせてくださる出来事と出会っていきましょう。

聖書のお話