2023年10月8日 聖書:マルコによる福音書13章3~13節「聖霊の働く時」大薮善次郎牧師

 イエスがメシアであると最初に宣伝したのはパウロである。彼はこの世の終
わりが近いことをイエスによって知る。ユダヤ人なら誰でもダニエル書が言っ
た黙示録を聞かされていたからだ。週末が来るぞと言って騒ぎ立てる人々に対
して、マルコは母親から聞かされていたイエスの生涯を書かざるを得なくなっ
た。
 このような風潮に対して、マルコはまず「目覚めよ」と呼びかける。そのイ
エスの生涯の目的は神の国の到来である。弟子たちは、イエスがこの世の支配
者たちと同じような権力を持つものと考えていた。それは全くの誤解であった
。イエスが十字架によって殺された時、弟子たちは逃げ去った。しかし、パウ
ロはその弱きイエスの中に神の国を見た。
 それは力によって勝ち誇る世界ではなく、愛によって新しく創造されていく
社会なのだ。よって週末時はイエスを信じる者たちにとっては、救いの時なの
である。イエスの生涯、それは教え、十字架の死、復活という全体が神の国で
あった。新約聖書は、まずパウロの手紙から始まって、マルコによる福音書が
書かれた。
 それゆえに、マルコの主張は「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて、
福音において信ぜよ(1章15節)」なのである。目を覚ましていると、聖霊が
語る言葉を聞きとることが出来るのではないか。週末が来るといってびくびく
するな。どんな時が来ても、自分に与えられた命を最後までしっかりと生きぬ
くことである。

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