2023年12月24日聖書：マタイによる福音書１章18～25節「インマヌエル」大薮善次郎牧師

８０才まで牧師をしました。教会にはいつも幼稚園がくっついていて、園長をさせられました。クリスマスは園児だちと共に祝っていましたから、当たり前のこととして、子供のためのお祭りだと思っていました。
しかし、隠退してからルカ福音書を読んでいて、それが間違いだと気づきました。
８４才のアンナという女預言者は、幼子イエスを見て、イスラエルの救いを信じ、神を賛美したのです。実にクリスマスは、老人にも救いをもたらしたというのです。
　古代社会の老人とは、どんな状況におかれていたのでしょう。旧約聖書コヘレトの言葉には、「若い内に創造主を記憶せよ。悪い日が来る前に。そして年をとって『おもしろくない毎日だ』という前に」とあります。
　悪い日とは老人になった時です。全ての行動が遅くなり、多くの人から役立たずと言われるように非難されるのです。
　アンナは神殿を離れずと書かれていますから、彼女は民の救いを毎日祈っていたというのです。
　つまり、老人の務めは祈ることだったと言えます。人々の未来のために、神が平和を与えて下さるという希望、救いを願って祈る、何というすばらしい務めでしょうか。しかしそれは今現実となっているのです。
　イエス・キリストの到来、それがインマヌエルです。神我らと共にいます。私たちが聖書を読み、イエス・キリストのことを思いめぐらす時、聖霊が必ず働き、神が共にいてくださることを実感するのです。
　このようにして、神が共にいてくださるという信仰を得て、新しい一年も生きていきましょう。